体験談 Vol.1

体験談 Vol.1

NPO法人日本脳腫瘍ネットワーク「JBTA」の理事長のガテリエ・ローリンです。私はベルギー人ですが、 日本に暮らして15年以上になります。

●がんが見つかったのはいつですか。

2016年に悪性の脳腫瘍と診断されました。1年前から手足のしびれがあり病院を受診しましたが、そのときは診断がつきませんでした。しばらくして、出張中にカートが手から落ちてしまうことがあったんです。何もないだろうと思いつつ再度診察を受けると、「脳に8cmの腫瘍がある」とのことでした。その後、覚醒下手術を2回と放射線治療を受けましたが、腫瘍が残っているため現在も化学療法を続けています。

●母国ではない国での治療に不安はありませんでしたか。


母国のベルギーと日本の治療法を調べると、どちらも高い水準であることがわかり、大きな不安はありませんでした。幼い子供もいたためベルギーに帰ることはできず、母に来日してもらうことにしました。

手術は、看護師や言語聴覚士などと会話をしながら、脳の機能が損なわれていないことを確認しつつ、ギリギリの範囲まで腫瘍を摘出します。私の場合、日本語、フランス語、英語の3言語の確認が必要だったため、手術に立ち会える人を探すのが大変でした。

●活動を始めたきっかけを教えてください。

私の脳には、取りきれなかったがんが残っています。いつどうなるかわからないし、動けるときに動きたい。「できることはやったと言いたい」と思い、JBTAでの活動を始めました。がんと共に生きることで、国内外のがん患者を取り巻く社会たのめに、より貢献したいと思っています。

悪性脳腫瘍は、希少がんと呼ばれる非常にまれながんなので、進んだ研究と治療法の確立が望まれています。海外ではどのように研究が進められていて、どんな薬があるのかを学ぶために、国内外の学会に参加したり、情報収集を行ったりもしています。日本だけでなく、アジア諸国や欧米のアカデミア、製薬業界、規制当局および患者団体との協力関係を強めることで、さらなる前進に至ると信じています。

JBTAは、患者・家族での交流や情報交換のほか、患者が積極的に治療に参加していけるように、医療従事者などとのネットワークの構築も行っています。患者さんは、自分たちの人生の質を高めるために、もっと思いを声に出す必要があると思っています。そうしやすい環境を作っていきたいですね。皆さんも、自分の声が届けられる場所をぜひ探してみてください。

(ガテリエ・ローリン、理事長)

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