治療時に気を付けたいこと

症例によっては標準治療が確立されておらず、施設により治療方針が異なることがあります。また種類が膨大な為、医師の経験や得意分野に差があることもよくあります。それは各科の医師においても同様で、例えば放射線科医においても脳腫瘍の治療経験や治療方針には差があります。医師には積極的に質問し、自らも情報収集に努めましょう。

セカンドオピニオンを受けよう

セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。

脳腫瘍においてセカンドオピニオンは大切です。

脳腫瘍という言葉を医師から聞いたとき、ほとんどの方がどうしてよいか分からないままその医師の話を聞くと思います。
すぐに治療を始めなければならないものもあれば、しばらく様子を見る余裕があるものもありますが、そのようなことが分からないまま、治療の方針を医師から聞かされ、その方針について決断を迫られることもあります。
脳腫瘍といっても大変多くの種類があり、それぞれに治療法が違いますし、年齢などによっても変わってきます。
病理診断が出ていれば治療法も限られてきますが、この病理診断も経験を積んだ医師でも迷うことがあるくらい難しいものもあります。
また、脳腫瘍の患者数自体が少なく、その中でも多くの種類に分かれますので、病院によってはその種類の脳腫瘍はあまり経験を積んでいないということもあります。
患者や家族である私たちが、それら数多くの脳腫瘍の種類や特性、治療法について知識を得ることは簡単ではありません。
その中で、治療方針を選択するのは患者本人(家族)であると言われても、正確な情報を収集する手段は現在のところほとんどありません。
その意味で、より正確な知識や情報を持った医師に相談することは、当たり前のことといえます。
セカンドオピニオンというと、現在の主治医が信じられないため、より良い医師や病院を求めて探し回ることと同一視されがちですが、主治医との信頼関係があろうとなかろうと、患者(家族)が主体的に自分の治療方針を選択するために複数の医師の意見を聞くという、当たり前なことであり必要なことなのです。
しかし必ずしなければならない「手続き」ではありません。自分の意志で行うものです。
時間と手間がかかりますが、必要だと思ったら迷わず行うほうが良いと思います。

セカンドオピニオンをしてくれる病院を探しましょう。

大学病院はほとんどセカンドオピニオンを受け入れてくれます。また近年では、セカンドオピニン外来などを設けている病院もあります。
会員専用ページに脳腫瘍を診療する病院の一覧があります。
どの病院でもいいというわけではありません。病院によってあるいは医師によって数多い脳腫瘍の種類ですから得意分野があるかもしれません。
ホームページなどで確認しながら探す努力が大切です。
脳腫瘍で神経膠腫や下垂体、髄膜腫など100数種類以上の腫瘍がありますので、それぞれ得意とする医師の受診をお勧めします。

セカンドオピニオンをとるまでの主な手順
  • セカンドオピニオンを取る病院を探す。
  • 主治医にセカンドオピニオンをとりたい旨相談し、同意を得る。
  • 病院を予約する。(料金等の確認も必要)
  • 必要資料を入手する。(セカンドオピニオンを取る病院に確認して下さい)
    ・主治医からの紹介状
    ・診療情報提供書
    ・血液検査記録
    ・MRI検査、CT検査のフィルム
    ・病理組織検査の報告書 など
    ・患者さん本人の署名がある相談同意書 ※ご本人が来院できず、ご家族が相談を受けられる場合
    ・ご相談者との続柄を示す書類(健康保険証など)※患者さんが18歳未満の場合。
  • 相談内容は事前に整理しましょう。病院によっては相談シートがあります。
  • 来院

これまでの経過と主治医の意見等を整理しましょう。

経過をメモしておくことは、治療法の選択をするときにも必要ですので、必ず行います。
紹介状があるときは主治医の意見はセカンドオピニオンの医師に伝わりますが、それでも自分が受けた主治医の説明はきちんと記録しておきましょう。
治療法の選択をするに当たって聞きたいことを整理しておきます。初めて脳腫瘍について医師から話を聞くとき出来れば複数(患者と家族あるいは家族同士)でメモをつくると、より正確なものが出来ます。

実際にセカンドオピニオンを受ける時

治療法の選択のためです。それを念頭において医師から話を聞くことを忘れないでください。
主治医から受け取った資料とこれまでの経過のメモを渡します。
事前に聞きたいことを整理して、医師の意見を聞きます。
「こんなことを聞いたら笑われるかもしれない」と考えず遠慮なく質問します。
医師の話はきちんとメモをしましょう。可能ならば医師にメモを渡して書いてもらいましょう。
治療の選択の幅と考えられる予後についてはしっかり押さえておきましょう。

セカンドオピニオンを受けた後

二人以上の医師の話から、自分の(家族の)脳腫瘍とその治療についてある程度理解できると思います。
治療法については十分理解したうえで、判断します。
まだ納得いかなければ、さらにセカンドオピニオンを行うことも可能です。
その場合に、手間と時間がかかることを考慮してください。手間については耐えることが出来ますが、時間については考えられる病気の進行を想定しておきます。
しかし、これらを妥協することは後々まで尾を引く可能性もありますので、最初のセカンドオピニオンの選択が大切になることを理解していただきたいと思います。

セカンドオピニオンの料金

医療機関によって、料金にはかなりの差があります。決して安価な料金ではありませんので、事前にセカンドオピニン外来の受付に確認してください。
全額自費です。 事前に質問事項をまとめ、貴重な時間の中有益な情報を入手してください。

某大学病院参考例

30分単位21,000円。30分超60分まで42,000円(最長60分)
全額自費で、健康保険は適用されません。

インフォームドコンセントについて知っておこう

医師が患者に対して、治療内容の方法や意味、効果、危険性、予後の予想や治療にかかる経費などについて、十分にわかりやすく説明をし、そのうえで治療の同意を得ることをいいます。
「脳腫瘍」と言われたときのショックは計り知れないものがあります。気が動転した状態の中で、その後のさまざまな話を医師から聞かされ、治療方針などで決断を迫られることがあります。しかし、その前に落ち着いてください。脳腫瘍にはさまざまな種類があります。
悪性の脳腫瘍をすぐに考えてしまいますが、良性の脳腫瘍もあるのです。良性の場合は、すぐに手術が必要ではないかもしれません。
逆に悪性の場合は手術も含め最初の治療が大きな影響を与えます。実際にはなかなか困難ですが、冷静になって医師からの話を聞くとともに、必要に応じてセカンドオピニオンなどを受ける心構えを事前に持っておくことが必要でしょう。

誰が説明を受けるのか

本人と家族がその場に立ち会うことが原則だと言われています。
しかし、患者が幼児はもちろんのこと未成年の場合は家族だけで聞く場合もあります。
また、患者が精神的に厳しい状況に追い込まれている場合は、医師と事前に相談せざるを得ないこともあるかもしれません。
そのとき、家族は患者の心に沿っていることを確信しなければなりません。それだけの覚悟が必要だと言うことでしょう。
また、本人に話をしない場合は、治療の説明やその後の介護等について家族の側に大きな精神的負担を強いることも考えられます。
話すべきかどうかは家族の問題とも言えますが、最初の段階での決心がその後も影響してきますので、十分に検討してください。
できれば、冷静に考えられる相談相手をこの段階で作っておくこともいいと思います。
医師によっては、患者本人にとても配慮したり、単刀直入に説明したり告知の仕方はさまざまなようです。
医師は個人情報保護法との関係で、原則としては本人の承諾がなければ家族といえども病状を説明することはできないことになっています。
そのことを私たちの方でも理解して話をする必要があります。

医師からの話を聞く前に

「脳腫瘍」と聞いただけで、どうしてよいかわからない混乱の状況のまま、医師から検査結果と診断、そして今後の治療について話があります。
非常に厳しい状況に立たされている患者と家族である私たちは、医師が伝える内容を正確に把握し、受け止めて、決断をしていくことは決して簡単なことではありません。
それでも、その場で大変大きな決断を迫られることもあります。検査結果により、本人や家族の精神状態は大きく変化し、一律にこうした方がいいというマニュアルを作ることは、特に脳腫瘍に関しては困難であるといえます。
それは、医師の側からも同じことが言えます。マニュアル通りに説明し、患者や家族の考えを聞くだけの医師はいないはずです。
患者や家族の精神状態と、話さなければならない厳しい状況を考慮しながら、ひとつひとつに慎重に対応せざるを得ない辛さを医師も背負っています。
最初の医師との話はそのような非常に厳しい局面にあるということをまず押さえたいと思います。
その前提に立って、私たちは少しでも患者家族が結果を正面から受け止め、これからの治療に前向きに取り組めるような選択ができる助けになるように、私たちの経験から整理をしてみたいと思います。

何を聞くのか

医師は、私たちの精神状態を考慮しながら話してくれるかもしれません。一度に全ての話ができるかどうかもわかりません。
しかし、治療方針を選択するのは私たちだという前提に立てば、その判断をするために必要な話はしっかり聞いておかなければなりません。
脳腫瘍は非常に多くの種類があり、また年齢や悪性度によって話の内容も治療法も予後も大きく変わってきます。
できればあらかじめ考えられる脳腫瘍の種類やその特徴についての概要をつかんでおいた方がいいかもしれません。

考えられる病名

脳腫瘍は大変多くの種類がありますが、中にはごくまれなものもあります。 最初の段階でひとつの病名に絞られるとは限りません。もし診断が確定しているのなら、その病気が良性なのか悪性なのかも分かるはずですし、病理診断ができていればそれも聞いてください。 それによって治療方法も絞られてくるはずですし、セカンドオピニオンを受ける場合にも大変重要な情報ですから、専門的な用語も並びますのでしっかりメモをとっておいてください。 動揺しているかもしれませんから、医師が書いて下さるなら、メモを渡して病名(脳腫瘍の病名は難しい字やスペルが多いですから)を書いて頂くのもいいかもしれません。 日本語だけでなく英語の病名も聞いておくと後で役立つかもしれません。

症状の説明

現在の症状がどんな理由で起きているのか、今後どのようになることが考えられるのかが話されます。
頭痛や発作、運動機能や知覚機能の障害など、納得いく説明が受けられるはずです。
不明なところは遠慮なく聞くようにしましょう。

腫瘍の位置と大きさ

MRIの画像などを見ながら説明してもらえるはずです。症状の説明と併せて理解をすることができます。
浸潤性(じわじわと広がる)かどうか、腫瘍の大きさやできた部位で治療法や予後も違ってきます。
大きさだけが問題ではありませんが、実際に画像を見ることで、受け入れざるを得ない気がしてきます。
また、治療の経過などで変化してきますので、しっかり見ておきましょう。
MRIの画像はセカンドオピニオンを受ける際も重要な資料となります。
借りるかコピーをしてもらえますので、遠慮なく申し出ましょう。
直接医師に頼みにくいときは、事務の窓口で頼むことが出来るかもしれません。

病理診断

まだ検査結果が出ていないかもしれませんが、医師の予想が聞けることがあります。
まだ確定ではない場合、いくつかの可能性を考えながら治療法の選択につなげていきます。
脳腫瘍の種類によっては、経験をつんだ病理診断の医師でも困る場合もあるほどです。
そのためにもしっかりした病理診断が出来る病院である必要があります。診断がでるまでに、2,3週間かかる場合があります。
病理診断が出ていれば、治療法も絞られ、経験ある医師ですと予後も予想されます。
セカンドオピニオンの際に、どのような病理診断が出ているのかを確認されることがありますので、しっかりメモを取りましょう。ただし、そのような場合には専門用語が多いため、できれば病理診断書(コピーでも)があれば脳外科医はより正確な判断が出来ると思いますので、主治医にお願いしてみてください。
事前にどのような脳腫瘍の種類(参照)があるのかを調べておけば医師の話も理解しやすくなります。

治療の方向性

一番重要なところです。治療に一つだけの選択しかないのか、いくつかの選択肢があるのかを聞きます。
それぞれの治療法によって、予後や後遺症などの問題が出てきますので、遠慮なく質問してみましょう。
その場で治療法の選択をする必要がある場合もありますので、どのような治療があるのかもあらかじめ知っておいたほうがいいと思います。 同じ病気でも年齢や生き方の選択で治療法の選択も変わってきますので、それぞれの治療法によって得られる可能性や後遺症なども医師からしっかり聞き治療の選択のための判断材料にします。
小児特に発達しつつある乳幼児の場合は、治療による影響が大きいため、慎重に判断する必要があります。
可能ならばメモをしっかりとって、他の医師の意見を聞き妥当性を判断する(セカンドオピニオン)ことも大切です。
セカンドオピニオンは主治医が信頼できないから行うのではありません。たとえ信頼できそうだと思っても、自分の判断と責任で最終的な治療方針を確定するわけですから、他の医師の意見を聞くことを後ろめたく思う必要はありません。

治る可能性

私たちにとって一番聞きたいことであり、医師にとって一番答えにくいところでしょう。
脳腫瘍の種類や悪性度によってももちろん違いますが、治療法の選択や個人差などによって簡単な結論は出せないかもしれません。
もちろん治癒する可能性が高い、ということも種類によってはあり得ますが、それでも、この話の段階では確定的なことは聞けないかもしれません。
良性の場合も含めて「治る」という意味がどこまでのものなのかも私たちの方で押さえておかなければ、医師の答えを詰まらせてしまうだけです。
病気以前の状態に戻るのか、後遺症があるが再発の可能性が低いのか、再発の可能性はあるがしばらくは大丈夫なのか・・・・等々。
この段階では一般的な可能性と、治療後の予想される経過が聞ける程度ととらえておいた方がいいかもしれません。
この話は、最初の段階でも、治療の経過を見ながらあるいは手術のあとなど、折に触れて話されると思います。
医師は経験から予想される可能性について、私たちの願いや希望を配慮しながら話してくれるはずです。

手術の必要性とリスク

脳腫瘍の種類や治療方針とも関わりますが、特に悪性の場合は手術の必要な場合が多く、腫瘍の種類や位置、大きさなどによって、また小児や乳幼児である場合などでその難しさも変わってきます。
その病院があるいはその医師がどの程度その手術に経験があるかも出来れば知っておきたいですし、手術だけではなく放射線治療や化学療法と組み合わせた治療(集学的治療)が必要な場合も多くありますので。
そのような体制が整っているかどうかも大切な判断材料になります。手術だけですべて終わるわけではないことをあらかじめ知っておいてください。
手術例が腫瘍を全て摘出する(全摘といいます)ことが可能なのか、できない場合はなぜなのかもしっかり聞かなければなりません。
浸潤性であるから困難なのか、腫瘍のできている部位によって、摘出後の影響が大きすぎるためなのかなどです。
さらに、その手術が治癒を目指しているのか、症状の改善を図っているのかもわかるはずです。
手術にはリスクが避けられません。顕微鏡下でコンピュータを駆使した手術が当たり前になりつつありますが、 それでも私たちの複雑な脳を傷つけざるを得ないわけですから、摘出そのものによる影響のほかにも危険性がないとはいえないことを理解しておく必要があります。
その危険性を告げて、それを避けるために精一杯の努力をする旨を具体的な方法などを挙げて説明してくれる医師が求められています。 早く手術して早く治してほしいと思う気持ちが私たちにはありますが、治療方針の全体の中で必要であるかどうか、必要であればその時期も決められていきます。
その折に触れて、医師から説明があるはずです。

化学療法の説明

化学療法が効きやすい腫瘍もあれば、それほどでもない腫瘍もあります。さまざまな化学療法がありますが、なぜその方法がいいのか、あるいはいくつかの選択肢があればそれぞれの特色もしっかり聞きます。
それぞれの方法ではこれまでの有効率(奏効率ともいいます)はどれくらいなのか、その医師の経験や公表されているデータではどうなのかが聞けるはずですが、手術や放射線との組み合わせ、腫瘍の悪性度や大きさ、出来た場所、個人差によって大きく変わってくるために確定的なことは聞けないこともあります。
おおよその可能性で選択せざるを得ないこともありますし、経過を見ながら変えていくこともあります。
副作用や合併症はどのようなものか、もしっかり聞きます。副作用がひどくて中断せざるを得なかった話も聞きます。副作用に対処する方法も併せて聞いておきます。
全身倦怠感、食欲低下、発熱、嘔気・嘔吐、痙攣、便秘、腹痛、下痢、薬剤の副作用などがあります。
多くは一過性のものであり、治療期間中は適宜主治医と相談しながら改善策を講じる必要があります。
さらに、どこでその治療を受けるのかは意外と重要なことです。その病院で出来る治療なのか、別の病院で治療しなければいけないのか。 別の病院にいかなければならないのは大変な手間になります。一方で、自宅から遠くの病院で手術などの治療を受けた後、自宅近くの病院で継続して化学療法が行えるのなら、負担は少なくなります。しかし、それらも病院同士の密接な連携があって初めて可能なことです。
化学療法は長期にわたる場合も多く、入院して行うのか、家庭でもできるのかは、実際に治療が始まると大変大きな問題です。
もちろん治療が優先しますが、長期の化学療法に入った場合に私たちの日常生活をより大切にしながら治療が出来ればという願いはあります。
化学療法の説明では、難しい医薬品の名前が出てきます。私たちが初めて聞く名前ですので、医師に慣れた薬品名でも私たちには難しく聞こえますので、しっかりメモをとっておきましょう。
できれば医師にメモってもらったほうが間違えが少なくなります。 薬剤の情報をインターネットなど調べてみましょう。

放射線治療の説明

化学療法と同様に、放射線がよく効く腫瘍もあります。手術の後に照射する場合もあれば、化学療法と組み合わせて行う場合もあります。
放射線治療にもさまざまなものがあり、それぞれが特色を持っています。その病院がどのような放射線治療の装置を持っているかにもよりますが、 提携した病院で行うこともあります。放射線治療の有効性と、いつ、何処で、どのくらいの期間行うのかが説明されるはずです。
副作用として主に口内炎・脱毛・全身倦怠感・嘔吐・嘔気などがあります。
副作用や合併症はどのようなものか、もしっかり聞きます。副作用がひどくて中断せざるを得なかった話も聞きます。副作用に対処する方法も併せて聞いておきます。
放射線の量はグレイという単位で表されます。この言葉は放射線治療を行う場合には常に使われますので覚えておいてください。
何回でも照射できるわけではなく、総量が多くなると障害の可能性も出てきます。脳に対する放射線の総量は70グレイが限度といわれていますが、さまざまな条件や同じ部位への照射、脳が発達しつつある乳幼児の場合などは後遺症のこともありますので、医師の話をしっかり聞いてください。
近年は定位放射線といって、多方向から腫瘍に対して集中して照射し、周囲の脳への影響を極力抑える方法がとられるようになってきています。
機器だけでなく照射の技術も大切ですので、優秀な放射線医師の存在も欠かせません。
放射線治療の場合は頭を固定して動かないようにしてから照射します。一度にまとめてすることは出来ないので、時間がかかります。
その間、副作用で吐き気や白血球の減少、脱毛が見られることがありますので、家族にとっては精神的なケアも大切です。
化学療法同様、途中でMRIの検査があり、経過の説明が受けられるはずです。
小さな子供の場合は後遺症のこともあり慎重に行われます。乳幼児の脳は放射線の照射に弱く、重度の障害を起こす可能性もあるために、治療に十分な放射線を使うことが出来ずに、化学療法に頼ることもあります。
そのようなことから、小児の場合は必ず小児の治療経験が豊富な病院で治療を受ける必要があると考えています。

交流電場腫瘍治療について

初回手術後に膠芽腫と診断されて、初期治療の放射線療法、それと併用して行われる化学療法が終了した方に、維持療法として使用されます。※保険は初発膠芽腫のみ適用  
電場とは、電流や磁気ではなく、電気の周りに帯びている力の場のことで、いわば重力のようなものにたとえられます。
Tumor Treating Fields(略してTTフィールド)という、低強度の交流電場を脳内に発生させます。この電場の力が急速に増殖している腫瘍細胞内の微小管に影響を与えて細胞分裂を阻害し、腫瘍細胞が死滅するように作用します。
電場は、急速に分裂する腫瘍細胞に対して影響を与えますが、ゆっくりと分裂する正常細胞にはほとんど影響を与えません。
TTフィールドは、腫瘍細胞を標的とする局所に限定した非侵襲性の治療法で、化学療法などでみられる吐き気、食欲不振、血球数の減少など全身性の副作用を増大させることのない治療法です。 詳しくは、www.optune.jp まで

緩和ケア

緩和ケアの目的は、治癒が望めない時期にさしかかった患者および家族が自ら対処方針を選択し、生活の質を保つことができるようにすることです。
痛みやその他の不快な身体症状の軽減を図るとともに、精神的、社会的な援助を行います。
患者・家族を中心にして、医師や看護師、ソーシャルワーカー、栄養士、宗教者、ボランティアなど、多岐にわたる職種がチームとなって担当します。
悪性腫瘍の場合は時として、残酷な告知を受けることがあります。
冷静にうけとめることなどできるものではありませんが、いかに、限られた時間を大切に生きるか意識しなければなりません。
私たち経験者(サバイバー)はそのような場面を乗り越え、ともに語り合い、分かち合う、同じ立場ピアサポートに努めています。
主治医にそのような告知をされた場合は、脳外科医以外に相談相手をみつける準備が必要です。
(今の病院で治療が困難になる。在宅ケアが必要になる。訪問医、訪問看護が必要など)脳外科の医師よりもソーシャルワーカーなどが専門的です。
ケアマネージャーは介護保険を対象に、自宅療養で各支援内容を計画立案してくれます。

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